自己否定感とは言葉の通り『自分自身を否定する感情』です。
心が弱っているときには少なからずこの自己否定感が付き纏います。
自己否定感とは簡単に言えば『どうせ自分なんて・・・』、『自分にはできないに決まってる。』、『どうして自分はこんなにもダメなんだろう?』といった自分に対するダメ出し、ネガティブな思考です。
誰もが少なからずネガティブな思考を持っているものですが、この自己否定感が大きすぎると無力感や無価値観といった負の感情に成長していきます。
そうなってしまうと心が疲れやすく、心が弱くなってしまいます。傷つきやすく落ち込みやすい状態になってしまい、心が折れてしまうこともあります。
すごく繊細な、打たれ弱い状態になっていくんです。神経質と捉えてもいいかもしれません。
自己否定感が強いと外部の影響を受けやすく、少し責められるようなことを言われたり、相手の何気ない言葉に傷つき落ち込んでしまいます。
他人から見たら被害者妄想が強い状態で関わりにくい人ですが、当の本人は至って真面目です。
被害者妄想でもなんでもなく真剣に傷ついています。
この自己否定感って自信との関係性があります。
自信があるときは自己肯定感、つまり『自分自身を肯定する感情』を持っています。
この自己肯定感というのはなにも自分が100%正しいと思う気持ちではありません。自分が100%正しいということはないとわかっています。正しくなくても、間違っていても自分はそれでいいと今の自分を認める気持ちです。
この状態は自己否定感とは反対で外部からの影響を受けにくい状態です。
ひどく責められるようなことを言われたり、相手が敵意を持って傷つくようなことを言ってきても落ち込みにくくなります。心が折れにくく打たれ強い状態になります。
自信がないときは自己否定感が強い状態になります。この状態は先に述べたように打たれ弱い状態です。
人は大人になると誰しも自己肯定感と自己否定感の両方を持っています。
強弱はありますが自己肯定感だけの人、自己否定感だけの人はいません。天秤のような関係に自己肯定感と自己否定感はあります。自己肯定感と自己否定感の天秤が釣り合っている人は客観視を得意とし、冷静な判断ができます。
自己肯定感が強いと自信過剰な人、自己否定感が強いと自信がない人と映ります。
自己肯定感と自己否定感は表裏一体です。
最初は誰もが自己肯定感のほうが強い状態です。
幼い頃なんか特にそうでしょう。周りのことなんかほとんど気にせず、『世界は自分を中心に回っている。』と思うことも少なくありません。他の人の迷惑なんて考えずに自分のしたいことを自分が思うままにやります。
教育の過程で「それはしてはいけないことだよ。」と教えられ、分別がつくようになっていきます。そこで強く叱られすぎてしまうと初めて自己否定感といった気持ちを自覚することになります。
だけどこの場合って自己肯定感のほうが強い状態なんですよね。叱ってくる相手に対して『なんで僕を叱るんだ!叱ってくるお前が悪い!』と思ったこと、皆さん一度は覚えがあるのではないでしょうか?『自分が悪いのではなく、周りが悪い。』、そう思えるほどこのときの自己肯定感は強いんです。
この誰もが持っていた自己肯定感なのですが、それを維持していくのは意外と難しいんです。
うまくいかなかった経験をしたり、挫折を味わったりを繰り返して自己肯定感が少しずつ弱くなっていきます。そして徐々に自己否定感の割合が大きくなっていきます。生きていくのはなかなか試練なんですよね。
落ち込んだ状態が長く続いたり、自信を失ってしまった直後は、自己否定感が強くなります。
そして自己否定感が強くなってしまうと、生きづらさを感じるようになってきます。
生きづらさを感じているので、心も疲れてしまいます。
心も疲れてしまっているので、なにかをしようという気力も湧いてきません。
気力がなく、なにもしないので『自分はダメだ。』と自己否定感が強くなります。
完全に悪循環です。
・・・
今は自己否定感のほうが強いかもしれませんが、訓練次第で自己肯定感を高めることができます。その方法は以前に『自己肯定感とは』で書きましたので、参考にしていただけたらと思います。
自己否定感が強いと自分に対してのダメ出し癖がつき、なんでもかんでも自分が悪いと思ってしまうようになります。因果関係の薄いことにまで、『自分がダメだったから・・・』と自分のせいにしてしまいます。
心はボロボロなのにパンチが飛んできてもかわそうともしません。それどころか、じっとしていたら外れていくパンチにまで、わざわざ自分が動いてあたりにいっているような状態になってしまいます。
普通の状態ではなく、少しおかしな状態です。
今のあなたはそんな状態なのかもしれません。
自己否定感と自己肯定感ですが、正解、不正解はありません。
あなたが正解、不正解を勝手に決めていいんです。
自分のことを思う感情なのですから、あなたの判断で自由にしていいんです。
自己肯定感と自己否定感は、どちらもあなたの思い込みにすぎません。どちらを選ぶのもあなたの自由です。
あなたが幸せになれる選択ができることを願っています。
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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