心が弱ってしまうのは弱い人間だから?

皆さんは心が弱ってしまったことはありますか?

今では心の病も理解されるようになってきましたが、一昔前は『心が弱ってしまうのは弱い人間だから。』、『情けない奴だ。』、『恥だ。』という声もよく聞こえていました。

その風潮は現在も根深く残っている人もいます。




『心がしんどいときは誰にでもある。それを大げさに病気だと名前までつけて…。病気じゃなく甘えてるだけだ。自分に甘いだけ。』とみなす人も中にはいます。

僕もね、かつてはそういう思いもありました。

 

でも今はそうじゃないんだと思っています。

 

なかなかね、理解してもらうのは難しいことだとも思います。

心が弱っているときに『そんなことぐらいで・・・』とか『努力できない奴のただの言い訳だ。』といったように責めてくる人もいますが、それはどうか許してあげてほしいです。

あなたがそこまで苦しんでいることをわかってないんです。

 

だって、

 

自分がそこまで苦しんだ経験がないから。

 

そこまで苦しんだ経験がないからわからないんです。

 

スポーツや勉強にしてもそうですが、苦労せずできる人は、できない人の気持ちがわからないんですね。

運動神経の良い人は運動音痴の人を見て『なんでこんな簡単なこともできないんだろう?』と思ってしまいます。
数学ができる人はできない人を教えるのにあたって『なにがわからなくて悩んでいるんだろう?』と悩んでしまいます。

 

自分は最初からできたから。

できない手順を省略しているから、できない人が何故できないのかが本当にわからないんです。天才肌と言われる人に多いです。自分ではできるけど教えるのは下手くそなんですね。

できない過程を省略できた人だから、できない理由に気づけないんです。

 

 

「今から指の動かし方を説明してください。」と言われても説明って難しいでしょう?違うことを教えているときに「こういう風に指を動かして。」と説明することはありますが、その『こういう風に』を言葉で説明してくれと言われても難しいと思います。まず指を動かそうと意思を決定し、『今から指を動かしてくれ。』と脳に命令して、・・・と続きますかね?

もっと難しいものなら「甘いという味覚をどういう味なのか説明してください。」とかがありますかね?食事をしてどんな味かで『甘い』という表現をよく使いますが、その『甘い』を感じたことがない人にはどうやって説明します?ケーキやあんこを食べてもらってこれが『甘い』ってことだと教えますか?でもケーキやあんこを食べたときのどの感覚が『甘い』って味覚なんでしょう?

 

普段当たり前にできていることだからわからないんです。

 

 

その逆も同じです。

 

普段まったく経験したことがないから、そんな世界があるとは思ってもいないんです。

 

 

自分はつらいことがあっても病気にはならず、乗り越えてきたと思っているんです。

正確には思い込んでしまっているんですね。

 

あなたほどつらい思いをしたことがない人が。

自分の知らない世界があることをわかっていないんです。

 

 

僕もね、数十年生きていますが、心が病む体験をしたのはほんの数年前です。それまでも色々な経験をしてきましたし、苦境に陥ったことも数えきれないくらいあります。

それでも今思うことは『あの頃の僕は順風満帆だったなぁ。今だったらあんなの悩みのうちにも入らないわ。それで自分は打たれ強いと思っていたんだから狭い世界で生きてきたんだなー。』と思います。(もちろん、できることならあのまま狭い世界で知らないまま生きていたかったですが・・・でもあの頃の僕よりは自分が人間として成長できたと自信を持って言えます。)

・・・

脱線しましたので戻します。

 

要はなにが言いたいのかというと、

周りのことは気にしなくていいですよ。

心が弱ったときは思う存分病んでください。





また例えになりますが、皆で集まって息止めをすることになりました。
あなたは開始30秒で息が持たなくなり、呼吸をしてしまいました。1分間息止めをがんばった人が、あなたが息止めをやめてしまったことに注意してくるんです。「たった30秒で息止めをやめてしまうなんて根性がないんじゃないか?俺は1分間息を止めていたぞ。」といった感じで。

でも実際には、あなたはスタートの合図の前から一人で息止めをしており、リタイアした時点では5分が経過した後でした。

 

わかります??

心が弱ったときに責めてくる相手は、そんな感じの人なんです。自分ならできる、弱ったりしないと思い込んでいる人なんです。

一度でも心が弱ってしまった経験がある人は責めてきたりしません。

 

 

だって、どうしようもできないことだとわかっているから。

 

根性論じゃないことをわかってくれているから。

 

 

5分間息を止めていた人がいたら、『すごいなー。』とか『よくがんばったなー。』とか思うでしょう。『5分間なんて真面目にやってないだろ!最低でも10分間は息を止めておけ!』と思う人って少ないでしょう?

 

それと同じなんです。

 

知っている人はできないとわかっているから言ってきません。

 

知らない人はできないとわかっていないから言ってくるんです。

 

 

だからその言葉にイチイチへこまないでくださいね。そして彼らのことも悪く思わないでいてあげてほしいです。彼らには悪気はないんです。

「10分間息を止めて。」と言ってくる大人はまずいません。

でもそれが5歳とか6歳の子どもだったらどうでしょう?「お父さん!あの人テレビで10分間息を止めていたよ!お父さんも今からしてみて!」、あり得るかもしれませんね。

 

 

知らないから言えることなんです。

 

たとえ周りからなにか言われたとしても気にする必要はありません。

 

彼らはこの世界を知らないからいえるだけです。

この世界を知っている人はがんばっているあなたに「もっとがんばれ!」とは言ってきません。

 

心が弱るほどがんばってしまったあなた、休むことは決して悪いことではありません。

というか、限界を超えてしまったら一度休まないと再スタートできません。

再スタートができるようになるために今は、ゆっくりと、気兼ねすることなく、思う存分、心を休めてください。

 

あなたは心が弱るほどがんばった強い人なんですよ?

 

 

心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。

 

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