面接試験って緊張しますよね。短い時間に自分をアピールして、良い印象を与えて合格をもらおうと努力する。
アピールポイントはあればあるほどいいですが、アピールするところがないときはどうすればいいんですかね?
先日、10年以上前に使っていた面接対策の本を久しぶりに見たんですけど、思っていた以上にひどかったです。
転職者の前職での仕事内容の項目だったと思うんですけど、こんな風に言ったらいいですよってことが書いてあるんですね。
「私は前職では営業職を3年していました。親しみやすさを常に意識して相手方とのコミュニケーションをとっていき、営業成績も上位をキープしていました。月間営業成績ナンバーワンを獲得したことも7度あり、最後の年には250名の社員中3名しかいただけない年間成績優秀者賞をいただきました。」みたいな感じで書いてあるんですね。原文とは少し変えていますが。
これを読んだとき、ため息がでたんですね。ため息というか乾き笑いでしょうか?
『はあ!?なにこれ!?ふざけてる?』
正直な感想です。
具体的な数字でアピールしてありわかりやすく、優秀な人間だと伝わりやすいみたいなことを総評として書いてあったと思うんですけど、、、
『これ書いた人、アホだろ?』
と思いました。
『あー、この本出した人って優秀だったんだろうなー。なにもわかってない。』
だって、そんなに優秀なら本を読まなくても書くことたくさんありますから。
わざわざ金を出して本を買って、時間をかけて読まないですよね?
こんなわかりやすいアピールポイントがあるなら、わざわざ本なんて買いません。
わざわざ何を言おうかなーと考えません。
考えて考えて悩みません。
答えが最初から決まっているんですから。
もともとこんな内容でアピールできる人なら悩みません。
アピールするところがないから悩むんです。
250人中の3人、そりゃーすごいですけど、そんな人、250人の中でたった3人しかいないんですよ?残りの247人はどうすればいいんでしょう?(バカな文章書いていますが。)
まだね、半分より上にいたら仕事ができる人と評価されるかもしれませんが、本当にアピールするところがない人も世の中いるわけです。そんな人がどうすればいいのか、肝心なことは何も書いていないんですね。
そういう人たちこそ、こういう本で熱心に勉強しているのに。
絶対にアピールできるポイントがあると訴えかけてくる本もありましたが、こんなのはどうでしょう。
「前職は営業職として3年間働きました。やる気と根性は誰よりもありましたが、売り上げはいつもワースト5に入っていました。営業職は優秀な人ばかり集めた精鋭ぞろいでしたので、やむを得ないと思います。250人の中で壮絶な最下位争いを演じていましたが、最下位になったことは一度もありません。いつも叱られることに嫌気がさし、私の居場所はここではないと感じました。御社でなら営業成績上位に入れると思います。」
・・・どうですか??
まあ、こんな失礼な答え方をする人はいないでしょうが、僕的には最初の回答より、この回答のほうが僕の人生に近いんですね。けど、そんな人に対するアドバイスってほとんどないんですよね。
『あなたが気づいてないだけでなにかあるはずだ。』で終わるんです。
『いやいや、それを教えてくれよ。』ですが。
なにもなかったらどうするのかということを書いてある本はないと思います。
なにかあることが前提なんですね。
なら、こんな回答はどうですか?
「学生時代は講義をよくさぼって、パチンコに励んでいました。親からの月の仕送りがたったの30万円しかなくて、アルバイトをしようかとも考えましたが、アルバイトは大変そうだったのでしませんでした。一番大変だったことはパチンコの負けが続き、仕送りが来るまでの一週間を5万円で生活したことです。その後、仕送りが30万円では安すぎると親を説得し、50万円の仕送りに変更してもらいました。きつい生活をしていたので、どんなに大変な仕事でもやり遂げられます。」
「人生で一番がんばったことはポケモンを全種類コンプリートしたことです。初代から大好きで家に引きこもってずっとしていました。新作が出るときはネット予約では到着が遅いこともあるので、父に会社を休んで店に買いに行ってもらっていました。スマホのアプリもしましたが、自分で現地に行くのは面倒くさかったので、母に指示をし、ポケモンを全種類回収してもらいました。徹夜でゲームをしていたことも多いので体力はあります。」
こんなことしか面接で言えない人ってどうすればいいんでしょう?
確かになにもなくはないですよね。ありますよね?
たくさんのマイナス要素が。
極端に書いたつもりですが、わりとこれに近いことしか書けない人って結構いると思うんです。僕もそうなんですが。
こんな人はどうすればいいんでしょう?
本に書いていないということはつまり、そんな奴らは働くなってことでしょうか?
でも、自分がそんな奴らだったらどうします?
このぐらいならできるだろうと思われている最低基準さえ、自分は満たさない人間だったら?
確かに、なにもないって人はその人が思い込んでいるだけで、実際にはなにかあるはずです。
何も持っていない人なんて、この世に一人もいません。
ですが、ある事柄で限定して考えるとプラス要素がないってこともあるんです。
マイナス要素だけしかなく、むしろ、何も持っていないほうがまだいいと思える局面さえあります。
自分では『そんなところもわたしの特徴だ。これがわたしなんだ。』と受け入れられていても、現実問題として社会から「あなたはダメだ!」と突きつけられることがあるんです。
自分ではいいと思っていても、相手からダメだと言われることもあるんです。
他人はね、自分よりも欲張りなんです。
できない人よりできる人がほしいんです。
持っていない人より持っている人がほしいんです。
マイナスの人よりゼロの人。ゼロの人よりプラスの人がほしいんです。
そこであなたがマイナスだったら否応なしにプラスの人と比べられます。そしてあなたではダメだという結論を突きつけてきます。
1回や2回なら、またがんばろうという意欲も湧くとは思うのですが、それが10回、20回となっていくと『自分はこのままでいいのだろうか?』、『自分は必要とされない人間なのか?』と自信をなくしていきます。
さて、どうしましょうか??
・・・
気にしなくていいですよ。
そんな比較をしてあなたをダメだと言ってくるところなんか、気にする必要ないです。というか、こっちから願い下げって感じで。気にせず次へと進みましょう。
ただの強がりですか??
・・・
いいじゃないですか。ただの強がりでも。
否定されるってつらいんですよね。それが仮に赤の他人からであっても、回数が重なってしまうと心が弱ってしまいます。
赤の他人はあなたを守ってはくれません。攻撃してくることもあります。そんなときに黙って攻撃を受けなくてもいいんです。
『自分を落とすなんて一体何様なんだ!』と思ったらいいんですよ?
あなたをいつも守れるのはあなただけです。
あなたのよさを理解できなかったところになんかこだわる必要はありません。
あなたのよさを見抜けなかったかわいそうな会社です。あなたを雇えなかった会社の損失は大きいです。せいぜい同情をしてあげましょう?
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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