この人の力になってあげたいと思ったことはありませんか?
本当にすごくつらそうな表情をしている人であったり、あなたにとって大切な人な苦しんでいるときに、『なにかできることはないか?』、『力になってあげたい。』、『助けてやりたい!』と思うことがあります。
大切な人が毎日泣いていると、泣かなくてもいいような環境にしてやりたいし、大切な人がすごく暗い顔でいると、暗い顔をしないですむように、元の顔で過ごせるようにしてやりたいと思います。
ただ、これがなかなかに難しいんですよね。
かなりハードです。
まず、相手がそんな状態になってしまっているのは、相手が一人ではその状況を打破できる力がないからです。
そんな状態にならないように相手も必死で闘っています。自分一人ではどうしようもないと周りに頼ってもいます。
それでもどうしようもできない状態で、あなたの大切な人は苦しんでいます。
それをあなたが解決する??
・・・
できますか?
相手がすごくくだらないことや、どうでもいい些細なことで苦しんでいるのなら別ですが、そうじゃない場合のほうが多いですよね。
相手が全力でもがいていても、どうしようもできなくて困っているんです。
それをなんとかしようと思ってしまったら大変です。
あなたにその力があるときはいいのですが、その力がないときはつらい戦いが待っています。
なんとかしてあげたいという思いが強ければ強いほど、その力がないときは地獄を見ることになります。
全力でやっても一向に思うような成果は得られません。
状況が変わらないだけならまだいいですが、時間が経つにつれ悪くなってしまうこともあります。
見放すという選択ができたら自分の傷は浅くてすむのですが、そこまでなんとかしてあげたいと思う相手を見放すことも難しいです。
厳しい戦いの日々が待っています。
なにもしてあげられなかったと嘆いているあなたは、その必死に闘っていた日々を忘れていませんか?
結果だけを見たら、あなたの望むような結果にはならなかったのでしょうね。
でも、そのときのあなたは、そのときにできることを、限界まで、いえ、限界以上にがんばってしていたんですよ。
毎日、つらかったですよね?成果が出なくて。
毎日、苦しかったですよね?どうすればいいかわからなくて。
相手も闘うことに疲れてしまって、あきらめてしまいましたよね?
絶望してしまった相手や、妥協してしまった相手を見て、自分の無力さを呪いましたよね。
絶望してほしくなんかなかったのに。
妥協なんかしてほしくなかったのに。
相手がそうならないように、自分が必死でがんばっていたはずなのに。
『自分にもっと力があれば・・・』、『自分がもっとしていたら・・・』、この想いがなかなか消えません。
ここでちょっと考えてみてください。
相手の人生を背負いすぎていませんか?
相手は納得しているのに、あなただけが納得していないのではないですか?
相手が不憫だと思っているのかもしれませんが、不憫なのはあなたではないですか?
相手のことをかわいそうと思っているのかもしれませんが、かわいそうなのは自分じゃないですか?
不憫な生活を相手にさせてしまっている自分がかわいそうなんですね。
相手のことを思ってではありません。
自分のことしか考えていないんです。
相手が、かわいそうではありません。
でもこれは、相手のことが本当に大切だからです。相手のことをそれこそ自分以上に大切だと思っているからなんです。
相手があきらめても、あなたはあきらめられません。
相手が譲っても、あなたは譲れません。
それはあなたが本当に相手を大切にしていたからです。
スタート地点は相手への思いやりでした。
それがうまくいかなくて、自分に対する怒りや悲しみに変化をしただけです。
もっとしてあげたかったですよね。
もっと会ってあげたかったですよね。
もっと頼ってほしかったですよね。
もっと力になってあげたかったですよね。
でもそれは当時のあなたたちではできないことでした。
いまになって『もっとしてあげたらよかった。』と思うだけで、当時のあなたたちはお互いにできることをしていたんです。
なにもしてあげることができなかったと悔やんでいるのかもしれませんが、あなたがなにもしていなかったことは絶対にありえません。
ここまで強い気持ちを抱えてしまうのなら、当時はできることをすべてやっていたはずです。
それでも結果がでなかったんですよね?
それでも報われなかったんですよね?
ただそれだけの話なんです。
どうにもならないことが世の中にはあります。
どうしようもできないことが世界にはあります。
もう、自分を許してあげましょう?
あなたは大切な相手のことを思いやれる優しい人だったはずなのに、意地になり続けて自分のことしか考えられなくなっているのではないですか?
そこまで消耗してしまったんですね。
削られて、擦り切れて、最初の動機を忘れてしまうほどに。
そこまでがんばったあなたを誰も責めはしませんよ?
そこまでがんばったあなたを責めるのは、あなただけですよ?
あなたが自分を許さない限り、『なにもしてあげられなかった。』という思いは消えることはありません。10年後、20年後も苦しむことになります。
無力な自分を許せるのは他人じゃありません。あなたです。
罪悪感を消せるのは他人じゃありません。あなたです。
そもそもあなたには何の罪もないのではないですか?
できることを精一杯やって、それでも届かなかっただけでしょう?
抱えなくていい罪まで抱えてしまっていませんか?
認めたくないものや譲れないものなのかもしれませんが、いつか自分を許せるようになったらいいですね。
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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