仕事をしていて人手不足に悩んだ経験はありませんか?
大企業では人手不足というのもあまり起こらないのかもしれませんが、中小企業で人手不足って深刻な問題ですよね。
入社時点で人手不足なら『考えていたよりも大変な仕事だな。がんばろう!』と意欲が湧くこともありますし、『この人数でこの仕事量をこなしているの!?僕には無理だ。』と心が折れてしまうこともあります。
でもね、入社時点で人手不足だとわかっているのはまだラッキーなんです。
すごく努力してやっと入れた会社で、採用試験に合格できたのは運がよかったと感じている場合は別ですが、退職するのにもさほど抵抗はないと思います。家族の目は気になるかもしれませんが、無理だと思っているところに居座り続けてもしんどいだけというのもあります。
結論は早いほうが次に進めますし、会社側も新入社員が辞めたところでさほど痛手ではないでしょう。
なかには新入社員はやめることを前提として多めに採用しているところもかなりあるみたいです。
入社時点で人手不足なら、それほど問題はないんです。
がんばる結論を出すのか、辞める結論を出すのかを冷静に判断できます。
入って20年になる社員と、入って3週間の社員、どちらのほうが辞めやすいですかね?
おそらく20年働いている社員のほうが辞めづらい状況でしょう?
だから入社時点で人手不足なら、まだラッキーなんです。辞めやすさもありますし、なにより、この仕事量が当たり前になるからです。
この賃金をもらうためには、これだけの仕事をしていかないともらえないという基準ができるからです。
逆に人が補充され、少し楽ができるようになると『働いていないのにもらっていいんだろうか?』と思う人もいるようです。
問題は初めのうちは楽や普通だったのに、徐々に人手不足に陥ってしまった場合です。
普通は1年目より2年目、2年目より3年目と仕事でできることが増えるにつれ、仕事量も多くなります。ずっと1年目と同じ仕事量だけをこなしていたらいいというところの方が少ないと思います。
それで自分の仕事が増えてしまうのは『まあ、仕方がないんじゃないか。』と納得できると思います。
でもね、社員が辞めたのに補充がないとか、新しい事業をするのに今の社員数でこなすといった場合には不満が溜まると思います。
元々が少人数であれば更に問題がでてきます。
10人中3人が辞めてしまいました。100人中3人が辞めてしまいました。
大変なのはどちらでしょう?
10人で新しい事業に着手します。100人で新しい事業に着手します。
大変なのはどちらでしょう?
どちらも元々が適量な仕事量だったと考えてくださいね。
一人当たりの負担は間違いなく少人数のほうが増えます。
10人を例に出しましたが、元々2人だったのに1人辞めてしまったらどうですか?辞める前と同じ仕事をこなそうと思ったら、単純に仕事量が2倍になります。
それで給料は同じ、どうですか?
モチベーション維持できますか?
結構ありえることとして、
5人で仕事をしています。5人でこなさないといけない仕事量があります。1人退職することになりました。ただでさえ仕事量があったので、4人では無理ということになり、1人新たに雇ってもらうことになりました。
上司の思うような人が来ず、採用には至りません。1カ月が経過しました。4人で仕事を回していますが、いっぱいいっぱいです。さらに1カ月が経過し、もう限界だと1人辞めることになりました。残り3人です。仕事なのでちゃんとこなさないといけないと思い、全力で仕事にあたります。残業をすると怒られるので家に持ち帰って仕事をこなします。
さらに1カ月が経過しました。なんとか仕事量を消化していましたが、もう限界です。上司に人手が足りないので、とにかく補充してほしいと再度お願いします。上司は「わかってる。大変だと思うけどもう少しがんばってくれ。」で終わりました。
また1カ月が経過しました。「がんばってくれてありがとう。本当によくやってくれた。」と採用が決まりました。
1人。
上司に再度補充の話をしに行くと「補充?もうしただろ?3人でも十分こなせるんだから4人なら問題ないだろ。今思えば5人なんて入れすぎてた。今まで楽をしていたんだから、これからはがんばってもらうぞ!」と聞き入れてもらえませんでした。
こういう経験ってありません?ちなみに上司は5人には入っていないものと思ってください。だから上司の仕事量は変わりません。自分たちの仕事量が多くなっただけです。
もともと5人でなんとかこなしていたのに、それが4人になってしまいました。仕事をこなさないと仕事場の外部からの評価が下がると思い、4人が責任感を持ってがんばったんです。全力疾走したんです。それでなんとかこなせていたんです。だけど、とうとう1人が耐えきれなくなり、脱落してしまいました。3人。
それでも仕事だからこなさないといけないと思い、全力疾走を続けています。限界が近いのがわかります。それでも迷惑をかけてはいけないと思い、がんばりました。上司の評価は『なんだ。今までサボっていただけか。3人でもできるんだ。』です。
どうしてこんな状況になってしまったかわかりますか?
無理をして必死でこなしてしまったからです。
心と身体をボロボロにしてこなせてしまったからです。
できないということをアピールできなかったからです。
責任感を持って真面目に取り組みすぎたがために、それが当たり前にできることと思われてしまったんです。
がんばっていることに気づいてもらえないんです。
最悪の場合は『今まで楽をしていたんだな。』と思われてしまうんです。
責任感って一般的には長所として使われる言葉ですが、この場合はあなたの邪魔をします。
だって、責任感を持ってなんとかしてしまったため、それが上司の標準になってしまったんですから。ずっと4人、あるいは3人で仕事をこなしていかないといけません。「5人にしてください。」と直訴してそれが通ったとしても、『できることをやっていない。不真面目な奴らだ。』と思われてしまいます。
できるところを見せてしまっただけに。
『人を補充しない上司が悪いんだ。会社の評判なんか知るか!自分は絶対に仕事量を増やさないぞ!』と今までと同じ仕事量だけやっていたら、こんなことにはならなかったんです。
外部からの苦情は来るでしょうが、それで上司も本当に手一杯なんだなと気づくんです。早く補充しないと評判に関わると。
その際は5人になるように補充してくれるでしょうし、もしかしたら、『そんなにきついんだな。今までがんばってくれたし、もう1人補充してやろう。』ってこともあるかもしれません。
なんか、真面目だと馬鹿を見るといった話ですが、実際にこういう例はよくあります。
真面目過ぎると損をしてしまうことがあります。
対応方法はもうわかりますよね。
責任感、少し緩めてみませんか?
強すぎる責任感は、ときに自分の首を絞めてしまうこともありますよ。
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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