皆さんは誰かに「死にたい。」と告げられたことがありますか?
それが家族であったり、友人であったり、恋人であったりと様々だとは思いますが、一つ言えることとして、あなたに近しい人、お互いに信用している間柄の人だと思います。
(ネットやカウンセリングの仕事をしている人は今回は除きます。)
あなたを信頼して直接言ってくる人ですね。
皆さん、こんなときどう対応すればいいかわかりますか?
「そうか。じゃあ死ねば!」
これ、どうだと思いますか?
・・・
・・・
アウトですよね。
あなたにも見放されたと思い、実際に死んでしまう人もいます。
その後、あなたは罪悪感の地獄を味わうことになります。呪いにかかります。
「死にたいなんて言ったらダメだ!がんばって生きるんだ!!」
これはどうでしょうか?
・・・
・・・
これですよね。
死にたいと思っている人を励まして、なんとか生きる気力を与えようとしています。
あなたは優しい人ですね。
正しいです。
でも、残念。
これもアウトです。
これもアウトというより、一番やってはいけないやつです。
これよりはまだ「そうか。死ねば!」の方がマシです。
正しいのだけど、一番やってはいけないことがこれなんです。
これをやってしまう人が多いというか、そういう気持ちになったことがない人や心理学とはまったく無縁の人はこれをやってしまいます。
これをやってはいけない理由はなんだかわかりますか?
相手の意見を否定しているからです。
「死にたい」と言ってこられた出てしまうんですよね。
「そんなバカなこと言っちゃいけない!」、「なにを言ってるんだ!しっかりがんばれ!!」といった言葉が。
『死にたい』と思っている相手のことを否定する言葉が。
これを信頼している相手から言われるのがなによりもその人は傷つきます。
『僕の味方なんていないんだ。』、『誰もわたしのことなんてどうでもいいんだ。』となってしまいます。
心が疲れてしまった人の思考回路って、普通の人が考えているよりもはるかに複雑で、また面倒です。
そんな対応をしてしまうくらいなら
「ふーん。そっかぁ。」の方がまだマシです。
マシというか「ふーん。そっかぁ。」でも答えは半分あってます。
「うん。○○は死にたいと思っているんだね。」
これが一番無難であり、正解に一番近い答えです。
「死にたい!」と言っている相手の言葉をおうむ返しで確認してるだけなんですが、これがすごーく重要です。
相手のことを否定しないで、事実確認だけです。
急に言われてしまったり、初めて言われたときは難しいと思いますが、できるだけゆっくりと、優しい口調を意識してみてください。
「自分がなんでも聞いてあげるよー。」と言葉ではなく、態度で示してください。
『死にたい!!』と思っている人は、この対応だけでもすごく心が軽くなります。
自分のことを受け入れてくれる相手がいるんだと再度認識するだけでも、すごく救われるんです。
あなたと相手が近い存在であればあるほど。
「もう死にたーい。」が口癖になっている人は別ですが、「死にたい。」っていうことを相手に伝えるのはものすごく勇気がいることなんです。
そんな勇気を出してまで言ってくれたことをこちらが拒絶してしまっては、相手にとどめを刺しているようなものです。
まずは相手が『死にたい。』と思っている気持ちを受け入れる、聞いてあげるのが大事です。傾聴といいます。
『死にたい。』と思っている相手はあなたにアドバイスなんか求めていません。あなたが思いつくアドバイスなんてとっくにやっています。
それをやった上でも『死にたい。』という状態に陥ってしまったんです。
『死にたい。』と思っている自分を、今の状況をあなたに聞いてもらいたいだけなんです。
あなたが「そうなんだね。」と聞く姿勢を見せることで、相手は次の言葉を発します。
それが具体的な理由か、「うん。」の一言か、「ごめん。」の謝罪かは相手によってことなります。
①具体的な理由
具体的な理由を話し出した場合にも二つのパターンがあります。
一つは相手が冷静にゆっくりと死にたい理由を説明してくれるパターン。この場合は無理にこちらから話を聞こうとせず、相手の会話を待つことが大切です。
もう一つは止まることなく早口でまくしたてまくるパターンです。聞いてくれると思った瞬間に興奮してしまうんですね。ここでこっちはちょっとひるんでしまうんですが、「落ち着いて!」とは言って相手を遮ってもいけません。
どちらのパターンにしても相手の会話に合わせて「うん。うん。」と言うだけでいいです。まずは相手の想いをすべてぶちまけてもらうことが大切なんです。「それはちょっと、、、」、「そのときはこうしてみたら、、、」はいらないんです。
②「うん」の一言
「うん。」の一言で終わってしまい、相手が発言をしなくなったら少し様子見です。すぐに質問をしてはいけません。「うん。」の一言で、そのまま終わってしまってもかまいません。
相手の様子を伺いながら、落ち着いているかなと判断をしたときには「どうしたの?」、「なにかあった?」などを聞いてみてください。
できるだけ短い言葉で。質問を一つずつゆっくりと。
「どうしたの?今日は何かあったの?話していいよ。お話聞くから。」と長く話してあげたくなるものなんですが、このときは短い言葉の方が相手に伝わります。
相手が話しだしたら①の対応に変化させます。
最後まで相手が「うん。」、「いや。」、「わからない。」で終わってしまってもかまいません。
③「ごめん。」の謝罪
この場合はね、相手は自分のことを責めています。『死にたい。』だなんて思ってはいけないことを思っている自分に。
この場合はね、皆さんが一度は体験したことがあることだと思います。
「うん。いいよ。」
「うん。大丈夫だよ。」
「あなたは悪くないよ。」
この言葉ってどこかで口にしたことはありませんか?
そう、慰めの言葉ですよね。(優しい穏やかな声でしてくださいね。)
子どもが泣いたときや、失敗して落ち込んでいる人がいるときにかける言葉です。
まずはこの言葉をかけて相手を慰めていきます。
ただ、ここでも重要なのは否定をしないことです。
「死にたいと思ってしまってごめんなさい。」と言ってきた相手に、「いや、いいんだよ。大丈夫。」の「いや」を入れてはいけないんです。
「うん。いいよ。大丈夫だから。」としないといけないんです。
そこが通常の慰めかたよりもかなり難しいところなんです。
慰めが終わったら①か②へとうつります。
『死にたい』と思っている相手を肯定するのって難しいんですよね。
『死にたい』ということも含めて肯定しているので、「うん。死んでも大丈夫だよ。」と言っているような気持ちになってしまうんですね。
今回の記事を実行しろというのもなかなか難しいと思いますので、『否定だけはしてはいけない!』と頭の片隅にでも覚えておいていただけたらと思います。
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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