皆さんはおとろえていく自分を実感したことはありますか?
前までは普通にできていたことをするのが大変になってきたり、以前はできていたのにできなくなってしまったものはありませんか?
これってショックなんですよね。
意外とショックが芯に届くんです。
だって、自分自身と比べているんだから。
他人と比べていません。
以前の自分ができていたことができなくなっているんです。
あの頃の自分と比べて今の自分は劣化しているんです。
自分の日常があのころに比べて制限がかかるんです。
一番これを感じやすいのは加齢による老いです。
この加齢によるおとろえは、長く生きていれば皆が経験します。
特に30代からは歳を感じるようになると言われていますよね。
10代、20代でやってきたムチャができなくなります。
そして後は階段状で年齢を重ねるごとにおとろえていきます。
そもそも人間の能力としてのピークは10代後半から20代前半という、一生のうちのごくわずかな時間だけで、あとは一般的には能力がおとろえていく期間でもあります。
歳を重ねるごとにできないことが増えていきます。
若い頃のようにはいかないことを実感します。
『前はできていたのに。』ということも増えてきます。
『こんなこともできなくなってしまったのか。』と落ち込んでしまうこともあります。
全盛期と今の自分を比べてしまうと『若い頃はよかったなあ。』とほんとに悲しくなってしまいます。
でもね、これは幸せなおとろえ方なんです。
人間ということの証明だからです。
生きているということの証明だからです。
人間として生きていれば誰もが通る道だからです。
あなただけが特別に歩かないといけない道ではないからです。
人間としての命を順調に歩いている証明なんです。
でも、そうじゃないおとろえ方もあるんですね。
それが病気やケガによるおとろえです。
予定していたよりも早く自分のおとろえがやってきます。
このおとろえは誰もが通る道ではありません。
この道を通る人の方が割合的には少ないです。
それでもゼロではありません。
誰かがその道を通るし、それが自分の場合もあります。
たとえ今日までは通っていなくても、明日になったら通るようになる人もいます。
今後、その道を歩かないといけなくなる可能性は誰にでもあります。
このおとろえはまったく予期していないところに襲い掛かってきます。
しかも加齢によるおとろえに比べて急激に能力が下がります。
できることが急に限られるようになり、今までできていたことでもできないようになります。
思考するときには自分の能力を常に考えなければならないようになり、選択肢は多く削られてしまいます。
自分と同年代はバリバリに走り回って現役です。
『だけど自分は・・・』と他人と比べてしまうようになります。
自分が失ってしまったものを他人は持っている。
自分が失ってしまって喉から手が出るほどほしいものを、他人はありがたくもないように思っている。当たり前だと思っている。
今ならそれの大切さについて誰よりもわかるのに、『どうしてよりにもよって自分なんだ!』という考えが頭から離れません。
恵まれた環境で不幸面しているやつに腹が立ちます。
自分が恵まれていることにも気づいてないやつに腹が立ちます。
自分をこんなことにしてしまった世界と運命が許せなくてどうしようもなくなります。
持っていたときには当たり前でそのことのありがたさに気づいていなかったけど、失ってしまってからそれが当たり前のことではなかったこと、それの本当の価値に気づきます。
おとろえていくことってね、自由と可能性の低下でもあります。
日々の生活の中で自分一人ではできないことが増えていきます。
周りの人たちに助けられながら生きていく機会が増えます。
今までの当たり前が日常ではなくなり、非日常であったことが日常へと変化していきます。
未来のことを考えたときに、いくつかの可能性の扉が閉まって施錠されています。
人間はおとろえていることを実感し、それが自分の想定以上だった場合にひどいショックを受けます。
それが元に回復するのであれば希望もありますが、そのまま低下の一途をたどることも多いです。
おとろえていくことを実感してしまい、できなくなってしまったこと、不自由になってしまったことばかりに目を向けてしまうと、幸せは遠のいていきます。
大事なのはおとろえてしまった状態の中で何ができるかに焦点を当て、自分の残っている力をしっかりと自覚することです。
人間は生きていく限り、次第にできないことが増えていきます。
そこから逃れることはできません。
自分のことを情けなく思ったり、不甲斐なく思うかもしれません。
でも、それも人間なら誰もが通る道です。
自分を卑下してしまうよりも、残された力で人生を楽しむ方が建設的だと思いますよ?
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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