介護を経験された人はいますか?
自分の親や祖父母であったり、結婚相手の親、あるいは介護職員として働いている人もいます。
介護って、かなり大変ですよね?
育児も大変ですが、あるいは子どもを育てる以上に大変なことかもしれません。
あなたが相手を介護するということは、あなたの方が身体面、認知面で相手より弱っていないということです。
相手が一人じゃできないことを、あなたが手伝って一緒にするんです。
そう、介護をする場合、自分がしてあげないと、相手はすることができないんです。
トイレまで連れて行かないと、トイレで排泄できないんです。
服を着替えさせてやらないと、服を着替えることができないんです。
ご飯を口まで持っていかないと、ご飯を食べれないんです。
(なんかしてやってる感満載の文章になってしまいましたが。)
それで、相手がありがとうと言ってくれたらいいのですが、「なにやってる!!」、「早くしろ!!」と怒りをぶつけられることもあります。
『してくれてありがとう。』ではなく、『やって当たり前だ、このノロマ!!』という態度を素でできる人もいます。
穏やかに感謝の気持ちをもてる人だけではないんです。
感謝の気持ちをもつことなく、自分の子どもだから、嫁だから、金を払っているのだから、「私の世話をするのは当たり前のことだ!当たり前のことなのに、反抗的な態度を見せるな!ほんとに使えないヤツだ!!」といった悲しい人もいます。
別にね、感謝をしろと言っているわけではありません。
ただ、もう少しこちらの気持ちを汲んでもらっても、せめて、して当たり前という思考をもう少し緩めてもらってもいいと思うんです。
だけど、こういう思考になっている人ほど、なかなか思考は変わりません。長年その思考で過ごしてきたんです。
歳をとると皆頑固になると言われていますが、長年の自分の価値観を変えられないだけです。
当たり前ですよね。
その価値観で80年、90年、生きてきたのだから。
その価値観を頼りに人生を過ごしてきたのだから。
ある程度は顔にも性格が出ていますよね。
一目見ただけでも、この人は気難しそうな人だ。穏やかそうな人だ。頑固そうな人だ。社交性がよさそう人だ。怖そうな人だ。
なんとなくわかりますよね?
若い世代にもわかりやすい人はいますが、高齢になるほど性格が外見にも反映されていますよね。
誰に対してもすごく穏やかに接し「いつもありがとう。」と声をかけてくれる人もいれば、「いつまで待たせるんだ!早くしろ!」と上から目線の命令口調が止められない人もいます。
たしかにね、年配の方がいるから僕たちは今の生活ができているんです。
戦争という今の日本では想像もできないような地獄を生き抜き、一生懸命働き、子どもを産み、子孫を残してくれたから僕たちが生まれたんです。
感謝して当たり前なのかもしれません。
でもね、介護のつらさを理解していない高齢者も多いんですよね。
「わたしだって姑の介護をしてきた。わたしのときはもっと姑にかかりっきりだった。」と言ってくる人も中にはいます。
でもね、その介護の期間って今よりもはるかに短い時間なんですよ。
僕が子どもの頃はね、60歳ってすごいおじいちゃん、おばあちゃんのイメージがありました。
一昔前は人生50年時代と言われていましたしね。
高齢まで生きる人が少なかったんです。
高齢まで生きる人が少ないということは、介護を必要とする期間も短いんです。
現在は人生80年時代と呼ばれ、将来は人生100年時代になるとも言われています。
60歳なんてね、今じゃまだまだ現役なんです。走り回るし、運動はするし、頭もしっかりしているし、バリバリの現役です。
70歳で介護を必要になった状態でも、100歳まで生きる人もざらにいます。
単純に考えて介護をする期間は30年ですね。
40歳の人が介護をしていたら、介護をしなくていい時期になるのは70歳です。
その期間、相手のために生活するんです。
はっきり言って大変です。
介護をやったことしかわからない悩みはたくさんあります。
まずね、介護の使える福祉サービスが介護度によってわかれます。要介護度が高い人(現時点で1~5)にわかれており、数字が高いほど介護を必要としている人になります。当然要介護度が高い人がより充実したサービスを受けられる設定になっています。
寝たきりの人なんか要介護5ですね。
介護をしたことがない人は要介護5が一番大変だろうと考えます。
でも、実際にはそうじゃありません。
実は要介護1や2の人の方が一番大変な場合もあるんです。
自分で動けるから。
寝たきりの人は自分では動けないんですよね。もちろん同じ姿勢でいると床ずれをおこすので定期的に姿勢を変えてあげたりしないといけないし、トイレでの排泄はもうできないのでベッド上でオムツ交換になります。40キロくらいのおばあちゃんでも自分で動いてくれようとしなければ、けっこう力がいります。(慣れれば力はあまり使わなくなりますが、それでもかなり大変です。)80キロくらいのおじいさんになれば、施設の介護職員さんといったプロの人でも二人で介助することもあります。
ですが時間さえ気にしていたら、その時間だけが忙しいだけなんです。
要介護1や2の人なら身体は元気な人も多いんです。
では元気なのに、なぜ介護必要とするのか?
認知面に問題があるからです。
一昔前はボケ老人と言われてましたね。(言い方は悪いですが。)
これがね、想像以上に厄介です。
夜中の2時に玄関の開く音がするんです。何をしているのときくと、「今から仕事に行くんや。」と外に出ようとします。
夕方買い物から帰ってくると部屋が荒らされています。泥棒に入られたのかと思って呆然としていると「私の宝石盗んだのはお前かー!!」と殴りかかってきます。(宝石なんて最初からありません。最初からないものを盗まれたと思っているんです。)
お風呂に入るとなぜか臭い。『なんだろ?この匂い・・・』と思いながら浴槽に足を入れるとグニュッ。(想像にお任せします。)
もちろん認知症にしても種類があるし、軽い重いはあります。
でもね、こちらの想像をしていないことをしてきます。
自分のしているオムツを食べてみたり、孫に対して「お母ちゃーん!!」と甘えたり。家族の顔も判別できなくなる人もいますし、旦那が既に亡くなっていることも忘れてしまう人もいます。
子どもと違って厄介なのは火ですかね。
ガスの使い方はしっかり覚えているんです。
でも火をつけたことを覚えていなかったり、ガスコンロの火に新聞を当てたりすることもあります。
火事につながります。
買い物をしている間に家が火事になりました。
しゃれにならないですよね?
でも一緒に買い物に連れて行くわけにもいかないんです。
子どもと違って大人です。本気で抵抗されたらあなたより力が強いなんてこともあります。
目を離したすきに店から出て車にひかれているなんてこともありえます。
結局、誰か一人が見守りをしておかないといけないんです。
これがずっと続くんです。
延々と。
その人が歩けなくなるまで。
その人が亡くなるまで。
いつ終わるかわからない状態をずっと続けます。
仕事や子育てなら予想がつきます。
あと2年したら落ち着くだろうといった感じで。
でも、介護に終わりは見えません。
毎日毎日繰り返すわけです。
大変ですよね?
虐待などが問題になっていますが、それをしてしまう人の気持ちもわかります。
頭に血がのぼってしまうこともあります。
まずはね、誰かに話を聞いてもらいましょう。
あなたがどれだけ大変かを誰かに訴えてみましょう。
一番いいのは家族ですが、非協力的な家族も多いです。
そういう場合はサロンなどに参加してもいいかと思います。
市町村に問い合わせしたら教えてくれると思います。
同じ立場の人間が集まることほど、心強いことはないと思います。
一人で抱え込んでしまうとストレスが爆発してしまうことがあります。
そこまであなた一人でがんばる必要はありません。
知らない人は「あなたがしっかりしないからだ!」と責めてくるかもしれません。
大切な親だから「最期まで自宅ですごさせてあげたい。」と思っているかもしれません。
でもね、元々介護なんて一人でできるようなものじゃないんです。
あなたがしんどい思いをしているのなら、あなたの負担が大きすぎるのかもしれません。
もっと周りを頼ってみましょう。
現状を客観的に判断してくれる人、場所が、あなたの手助けをしてくれると思いますよ?
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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