皆さんは『報われてほしいなー。』と感じる相手に出会ったことはありますか?
心の中で『がんばれ!!』と応援し、サポートしてあげたいと思う存在はいますか?
一般的には家族や恋人や親友といった自分の身近な人に感じることが多いと思います。
どうしてそんなことを感じてしまうんですかね?
その人のがんばりを知っているからです。
その人が努力してきた量を知っているからです。
それなのに、まだ報われていないからです。
そんな状態なのに、まだその人はがんばることをやめてないからです。
『もうやめてもいいんじゃないか。』と端から見たら思うことなのに、その人は決してあきらめません。
心の底から応援したくなるような人です。
だけど悲しいことに、がんばりは必ず報われるとは限らない世の中です。
そんな平和な世界なら悲しみを抱える人も少ないと思いますが、世界はそこまで優しくありません。
報われないからその人はさらに努力をするんですね。
報われるための方法ががんばるしかないなら、限界を超えてまでがんばります。
初めのうちはそれができるんですけどね、だんだんそれができなくなっていくんです。
そこまでしても報われないから。
身体的にきついまで来てしまいます。
精神的に苦しいまで来てしまいます。
そこまでして結果を求めてるのに、現実はその想いを否定します。
そして目に見えて弱っていきます。
元気がなくなっていきます。
覇気がなくなっていきます。
明るい表情をよくしていたのに、今ではもう暗い表情しか浮かべません。
陰で泣いている回数も多くなります。
あきらかに無理をしているのが見てわかります。
あんなに活気があってハツラツとしていた人なのに、最近はボーっとしていることが多くどこか上の空です。
どうしてこんな状態になってしまったんでしょうか??
報われなかったからです。
それでもがんばることをやめなかったからです。
でもあなたは、『がんばることをやめなかったからこんなことになったんだ!』とその人を心の中でも責めたくありません。
その人の生き方を否定なんかしたくありません。
なら、何が悪いか?
決まっています。
報われなかった結果が悪いんです。
あれほどの努力を否定されていいわけありません。
あそこまでのがんばりを報われないですませていいわけありません。
あれほど努力したのだから、あそこまでがんばったのだから、絶対に報われるべきなんです。
あの人の努力とがんばりを誰にも否定はさせません。
あの人の努力とがんばりが、報われない世界なんてあっていいはずがありません。
なんか、、、
あなたが当事者になっていませんか?
いえ、その気持ちはすごくわかるんです。僕も実際にそういった体験をしましたから。
『あれだけやったんだから報われてくれ!!』って思ってしまいますよね。
だけどここは境界線のひきどころです。
自分のことと、他人のことについての境界線です。
あなたはすごく悔しい思いをしていますよね?
『どうして報われてくれないんだ。』、『なぜここまでしているあの人が報われないんだ。』、『こんな状況なのにどうしてまだがんばろうとするんだ。』と。
でもね、これ、深く入り込み過ぎなんです。
他人の領域に土足で入っているんです。
その人がね、何も思っていないと思いますか?
報われないことに対して葛藤していないとでも思いますか?
あなたがね、でしゃばり過ぎてしまうと、その人がしっかり悲しめないんです。悔しいと思えないんです。
がんばっているのに報われない。そのことについて考えを巡らせていいのは本人だけなんです。
あなたがそれをしてしまうことによって、本人がそれをできなくなってしまうんです。
言い方はあれですが、あなたがその人から横取りしてしまっているんです。
もちろん、あなたは苦しいですよ。
好き好んで横取りをしたわけではないですし、横取りをしてしまったからこそ、こんなにつらい思いをしているわけですし。
でもね、報われてほしいという気持ちは、僕はでしゃばりすぎだと思っています。
きつい言い方になりますが、あなたにはその権利はありません。
その権利があるのは報われたいと願っているその人だけです。
その人の特権なんです。
報われたいと願うことが許されるのは、そのことで努力をしてきた当事者だけです。
報われたいと願うことが許されるのは、そのことでがんばってきた当事者だけです。
他人が知ったかぶって、勝手に入っていってはいけない領域なんです。
ほんとね、世の中報われない人どころか、『わざとそんなに不幸になるほうを選ばなくてもいいだろ!もっと幸せになれる方法がたくさんあるのに、どうしてわざわざそれを選ぶ!?』なんて人もいます。
でもね、それはあなたには関係ないことなんです。
それを選ぶのが本人にとっては一番都合のいい答えだからです。
いずれその人は力尽きてしまうかもしれませんね。
もうその兆候は出ているのかもしれませんね。
だからあなたはそんなに慌てているのかもしれませんね。
でもね、これを止める権利は誰にもないと思うんですよ。
たとえ親子であっても。
たとえ親友であっても。
たとえ好きな人であっても。
あなたにできることは『報われてくれー!!』、『そっちを選ぶなー!!』と思うことではありません。
その人が報われなかったとき、疲れきって動けなくなってしまったときに、その人が帰る場所であり続けることです。
その人が居場所を見失ったときに「ここだよー!」と声をかけてあげることです。
それはね、はっきり言って今まで以上の苦しみです。
力づくでもやめさせた方がダメージが少ないのも事実です。
だけどね、それでも納得ができない人間もいるんです。
底の底の底まで自分の目で確かめてみないと気がすまない人間が。
そんな人の帰る場所であり続けることは、あなたにしかできないことなんじゃないでしょうか?
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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