皆さんは歩くだけで気持ちが悪くなったことってありますか?
一時的なものや一過性のものなら経験したことがある人も多いんじゃないかと思いますが、それが継続して起こる状況になってしまったことはありますか?
長期の入院でベッド上で生活をしていた場合や、心が弱りきってしまったときなどに、この状態になってしまいます。
ようは重症のときですね。
僕は心のことでこの状態になってしまったことがあります。
この状態ってはっきり言ってものすごくショックです。
だって、歩くだけですよ?
走ったり、なにかスポーツをしたわけでもないんですよ?
年齢のことを言ったら失礼かもしれませんが、100歳を超えている人でも元気に歩き回っている人がたくさんいます。
その人たち以下なんですよ?
まだ高齢と呼ばれる歳でもないのに。
周りはバリバリ現役で走り回っている世代なのに。
歩くことって生きていく上での基本なんですよね。
面接などで「運転免許は持っていますか?」とかは聞かれることもあるかもしれませんが、「3分間歩けますか?」って若い人に聞く人はいないですよね。
歩けることが生活の基準、前提になっています。
もちろんね、歩けない人のためには福祉サービスはあります。
雇用も障害者枠で力を入れている会社もたくさんあります。
だけど普通は若い人は普通は歩けることを前提に接してきます。
仕事の電話で相手に「何時にこちらに来ていただけますか?」と言われることはあっても、「あなたは歩くことができますか?」なんて聞かれることはありません。
そんなことは尋ねるまでもなく当たり前のことと認識しているからです。
そんなこともできない状態になってしまったらどうします?
ちょっと大袈裟になってしまいましたが、僕は歩くことはできていました。3分以内ならなんとか。ウルトラマンです。
でもそこを越えたあたりから、気持ちが悪くなって吐き気がひどくなっていきます。
身体はまるでマラソンをしているかのように「はあっ、はあっ。」と酸素を求めます。
心臓がドクンドクン言っているのが聞こえます。
そんな状態に頭は『えっ!?なんだこれ?うそだろ!?』と不安でいっぱいになります。
『まだ!もう少し!!』と心を奮い立たせます。
そして歩けなくなり休憩です。
「ゼハーッ、ゼハーッ、ゼハーッ!」、「ウォエー!!」
なにも競歩をしていたわけではありません。
散歩のペースです。
冷蔵庫に飲み物を取りに行く、歯を磨きに洗面所に行く、それよりももう少し遅いペースです。
それで時計を見ると5分。体感的には1時間みっちり運動した感じだったのですが・・・
横を後ろから来たお婆さんが「どうしたの?大丈夫?」と心配して声をかけてくれ、僕が大丈夫なことがわかるとあっさりと僕の前をもとのペースでリズムよく歩いていきました。
めちゃくちゃショックでしたね。
というか、違う病気を疑いました。『もうすぐ死ぬんじゃないか?』とも思いました。本当に怖かったです。
医者からは「軽い運動から少しずつ始めてみようか?」と言われたから、それをまずはしてみようと思ったのに、結果はこれです。
散歩が軽い運動じゃなくなっていたんですね。
これには正直焦りました。
僕がこんな状態になってしまったのはある決定的な出来事があるんですけど、そのときは心が壊れてしまってから二年近くがたっていたと思います。
その時期は本当に波乱万丈で不幸が束になってかかってきて、出費もかさみました。今まで働いて貯めていた貯金も底が見えていました。
このままじゃ生活できなくなります。
社会復帰を目指さないといけない時期です。
なのに、スタートラインでいきなりこけました。
心にばかりに注目していて、自分が歩けなくなっているなんて思いもしなかったんですね。
歩けない人がどうやって社会復帰して自立できるんでしょう?
なにか特別な才能でも自分にあれば別ですが、残念ながら僕にはそんなものありません。
外に出て、社会に出て働いていかないと僕は生きていけません。
『え?なに?これ?90歳のじいさんでもあるまいし、ありえないだろ?多分500メートルも歩いてないだろ?こんなんじゃ社会復帰まで10年かかるじゃん?貯金も底をついた時点で生活できなくなる。なにこれ?今までがんばって貯めていたものを消化して生活してきたのに、今俺何歳だと思ってるんだ?先はまだまだ長いはずなのに、それなのにこれって。苦しみながらも生きてきたのに、周りに迷惑をかけながらも生きてきたのに、俺の人生これで終わり?』と思いました。
これからの将来を考えると本当に絶望でしたね。
未来が見えないどころか、普通に生活できている自分さえ見えませんでした。
まだ養う家族が自分にいないということが正直ほっとしました。
ちょっと話がそれてしまいましたが、ようは体力が絶望的なまでに低下していたんです。
そのことでまた落ち込んで、復帰までさらに遠回りしました。
お医者さんに症状を話しました。「○○さん(僕の名前です。)、急にがんばりすぎです。元々がんばりすぎる傾向にあったんじゃないの?よくはなってきてるんだから、焦らず、慌てず、無理しないように。」と言われました。
そこでまたひねくれた僕の登場です。
『急にがんばりすぎ?ただちょっと歩いただけだぞ?』
『元々がんばりすぎる傾向?それががんばれなくなったからこうなってるんじゃんか!がんばれていたらこんなことになってない!!』
『よくはなってきてるって、もう何年社会に出てないと思っているんだ!焦らず?慌てず?そりゃー、あんたは医者だから蓄えも多いんだろうけど、こっちはもう底が見えてんだよ!履歴書の空白期間もどうすればいいんだよ!!』
今もわりとですが、当時の僕は本当に暗く濁っていましたね。
・・・で、なんとかしようと吐いたり、転んだりしながらも散歩を続けました。
それでよくなったかというと・・・
症状が悪化しました。
悪化したというか、もう一段階前の状態に戻りました。
散歩をしようと思っても身体が動かない、身体を動かすのもだるいという無気力状態に逆戻りでした。
歩くだけで気分が悪くなるときの対応は簡単です。
歩かなくていい!!
それだけです。
というか、頭が歩けると思っているだけで、本当はまだ歩ける段階じゃないんです。
のんびりすることを意識しましょう。
身体と心を休めることを意識しましょう。
ここでがんばってしまうと、復活への道がさらに長く延びてしまうかもしれませんよ?
心優しいあなたの人生が幸せに包まれますように。
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